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「新生」三越伊勢丹HD、構造改革の鍵握る社内融和

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「新生」三越伊勢丹HD、構造改革の鍵握る社内融和

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 三越伊勢丹HDは、台湾子会社から三越出身の赤松氏を会長として呼び戻す。伊勢丹出身の杉江俊彦社長とのツートップ体制で、地方の不採算店の売り場縮小などの構造改革を進める狙いだ。

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 三越と伊勢丹は企業文化が異なるうえ、かつては伊勢丹出身者の賞与が三越出身者の最大4倍と待遇格差があった。また、リストラは不採算の三越の店舗ばかりで、三越出身者には不満がくすぶっていた。このため、三越伊勢丹HDの経営陣は「社内融和」を優先し、会長に三越出身の石塚氏、社長に伊勢丹出身の大西氏を据えてバランスを取ってきた。

 しかし、個人消費の低迷や訪日外国人客による「爆買い」の終息で、石塚氏と大西氏の融和関係に綻びが出始めた。業績が悪化する中、事業の多角化を進める大西氏への風当たりが社内で強まり、石塚氏も距離を置くようになった。

 J・フロントリテイリングや高島屋が業態転換を加速する中、三越伊勢丹は売上高に占める百貨店事業の割合が大きく、構造改革は周回遅れの状況だ。赤松氏と杉江氏の新ツートップには、社内融和を含めて課題が山積している。

 とはいえ、業務畑の赤松氏と経営企画畑の杉江氏は1年前まで、二人三脚で同社の経営を支えてきた仲。新コンビで労働組合との対話を重ね、社内融和を図りながら、懸案の構造改革を迅速に進められるかが、生き残りのカギとなりそうだ。(黄金崎元)

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