独自動車大手5社にカルテル疑惑、排ガス規制逃れの背景に
更新【ベルリン=宮下日出男】ドイツでフォルクスワーゲン(VW)など自動車大手5社が長年、不正なカルテルを結んでいた疑いが浮上した。ディーゼル車の不正な排ガス規制逃れの背景になった可能性もあり、独メディアは「ドイツの経済史上最大規模」のカルテル事件に発展する可能性があると伝えている。
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独誌シュピーゲル(電子版)が21日報じた。それによると、カルテルにはVWと傘下のアウディ、ポルシェのほか、BMWとダイムラーが参加。1990年代以降、下請けの選別や部品の購入価格、技術などの広範な分野について60以上の部会を設けて協議。200人以上が関与し、過去5年で千回以上の会合が持たれた。
排ガス処理技術に関わる部会では、コスト低減のため、有害物を浄化する尿素水のタンクを小型に統一することで合意。尿素水の節約のため、試験時のみに浄化装置を最大限機能させる仕組みが考案された可能性があるとしている。