海運大手の日本郵船は１９日、ＮＴＴなどと共同で、多様な機器をインターネットで結ぶ「モノのインターネット（ＩｏＴ）」の技術を利用して船舶の効率的な管理につなげるための実験を始めると発表した。将来の自動運航に向けた技術開発にも役立てたい考えだ。

　海運業界は船の過剰供給や環境規制の厳格化で取り巻く環境は厳しい。大量の運航情報などビッグデータも活用して運航の効率化のほか、安全性や環境性能の向上を目指す。今回の実験は、エンジンのデータなどを収集して異常がないかを確認するために船に搭載したプログラムを、陸上からの通信で効率的に更新する仕組みをつくるのが目的。約１年かけて取り組む。

　プログラムはより的確に異常を知らせるため更新する必要がある。従来の手法では技術者がプログラムを記録したＣＤを船内に持ち込んで作業するなどしており効率化が課題という。