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日本型の「高層複合ビル」、不動産大手で輸出加速 「六本木ヒルズをつくってとよく…」

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日本型の「高層複合ビル」、不動産大手で輸出加速 「六本木ヒルズをつくってとよく…」

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 海外で商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと」「三井アウトレットパーク」の新増設が相次ぐ三井不動産。中国、台湾、マレーシアの3カ国・地域で3物件が開業しているが、21年には現在予定しているだけで7物件になる。店舗数は増床予定の物件もあって540から一気に1570まで増える。

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 海外展開に注力する理由を、海外事業二部業務グループの渡部恵津子グループ長は「訪日客が増え、日本で食べたり、買ったりしたものが欲しいという声に応えるため」と説明する。国内のアウトレットパークを訪れる訪日客比率も年々上昇、それだけ日本ブランドの支持者も増える。

 海外進出第1号は中国の「杉井アウトレット広場・寧波」で11年に140店舗で開業した。アジア市場開拓の一環で中国進出を検討していたとき、「中国にはない日本のアウトレットモールを持ちたい」と声をかけられ、ジョイントベンチャーを立ち上げた。日本をベースに現地のニーズを理解しながらテナントを誘致したことが奏功、15年には増床し現在は194店舗が入る。

 「日本で食べておいしかった。こっちでも食べたい」といった情報が入ると、「それに応えるのが運営の基本。箱をつくって終わりではなく、人気店など“旬”を入れる」(中野諭・同グループ統括)ことで来場客を増やし、売り上げを伸ばす。マレーシアのアウトレットパークは第3期の増床も予定している。

 帰国後も同じ体験

 一方、ららぽーとは20年に中国で、21年にはマレーシアと台湾で開業を控える。ブランド品などを比較的安価で提供するアウトレットパークで開拓した消費者を誘導する考えだ。

 日本の商業施設などで受けたきめ細かな対応に感心した訪日客は帰国後、母国でも同じ体験を求めるようになる。フィリピンで住宅と商業施設の一体開発を始める野村不動産の宮嶋誠一社長は「日本テイストの商業施設が欲しいといわれる」という。高い技術力や商品企画力、丁寧な仕上がりに加え、管理・運営ノウハウが海外進出の決め手となりそうだ。(松岡健夫)

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  • 三井不動産が開業した「杉井アウトレット広場・寧波」の増床部分=2015年12月、中国・寧波

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