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アサツー株主の過半賛同得るか 筆頭株主などTOB価格引き上げ要請

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アサツー株主の過半賛同得るか 筆頭株主などTOB価格引き上げ要請

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 米投資ファンドのベインキャピタルが実施している広告大手アサツーディ・ケイ(ADK)に対する株式公開買い付け(TOB)が21日に締め切られる。筆頭株主の英広告会社WPPグループが反対し、他の主要株主もTOB価格の引き上げを要請。成立条件となる50.1%以上の株主の賛同が得られるかが注目される。

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 ADKは業界3位で「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」などのアニメ制作にも関わり、コンテンツビジネスに強みを持つ。WPPとは、前身の旭通信社時代の1998年に資本業務提携したが相乗効果が得られず、経営の足かせになっていた。

 こうした中で、企業再生に定評のあるベインが10月2日にADK買収を発表。ADKはデジタル戦略の強化にはベインの支援が必要だと主張し、WPPに提携解消を通知して約25%の保有株の売却を求めた。

 一方、ADKとの関係がなくなれば、WPPは日本市場での足掛かりを失う。逆に通知を無効だとし、株を持ち続けられるように東京地裁に仮処分を申し立てた。11月15日にはTOBが失敗した場合、33%まで株を買い増して経営への関与を強める用意があるとする声明を公表し、揺さぶりをかけた。

 約17%を持つとされる第2位株主の英ファンドも「買い付け価格が低すぎる」との考えを示す。対するベインは価格を引き上げておらず、市場関係者は「TOB成立への自信の裏返し」とみる。ただ、現状のままで応じるか不透明な状況で、別の関係者は「蓋を開けてみるまで結果は分からない」と話す。

 たとえTOBが成立したとしても法廷闘争は続く可能性がある。ADKは火種を抱えたままの再出発となる。

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