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流通「グローサラント」拡充 米国発、イートインの一歩先行く新業態

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流通「グローサラント」拡充 米国発、イートインの一歩先行く新業態

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 流通業界で、弁当や総菜を買ったその場で食べるイートインの一歩先を行く新業態が生まれている。小売りと外食を融合した米国発の「グローサラント」だ。顧客はこだわりの生鮮品を使った料理を出来たてで味わえ、気に入れば売り場でその食材を買い、自宅で再現することもできる。インターネット通販大手アマゾンが生鮮品に手を広げたことも、進化を模索する要因となっている。

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 先行する企業の一つが、セブン&アイ・ホールディングス傘下で福島や宮城など5県に展開するスーパー、ヨークベニマルだ。昨年10月に改装した主力の横塚店(福島県郡山市)に導入した。

 代表格の米ホールフーズ・マーケットなどを視察し、黒字の衣料品売り場をあえてつぶして実現した。店舗の看板には「スーパーラント」の文字。米国の「グローサラント」は食料品店を意味する「グローサリー」とレストランの造語で、日本の庶民にはなじみが薄いとしてスーパーとレストランを組み合わせた。

 「三ツ星」と銘打った契約農家の減農薬野菜を使った各種弁当や、サラダとスープの取り放題が売りだ。三ツ星野菜は生鮮売り場で購入でき、スープも同じ味を冷凍食品で手軽に楽しめる。調理などの運営はフードコートのような外部テナントではなく、自前で行う。「メニュー見直しなどニーズの変化に対応しやすい」(芳賀英文取締役専務執行役員)ためだ。単に仕入れて売るスーパーから、ユニクロやニトリのような製造小売業へ変わる必要があると考えているのも大きい。

 ホールフーズは昨年8月に米アマゾン・コムの傘下に入り、日本でもいずれアマゾンがスーパーの買収に乗り出すとの観測がくすぶる。横塚店の昨年10月の売上高は衣料品がなくなったものの前年同月と比べ約2割増えた。セブン&アイはベニマルの知見を生かし、中核スーパー、イトーヨーカ堂のてこ入れを急ぐ。

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