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【2018 成長への展望】NTT東日本社長・山村雅之さん(64)

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【2018 成長への展望】NTT東日本社長・山村雅之さん(64)

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 ■IoTを安いワンパッケージで提供

 --モノのインターネット(IoT)について

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 「IoTもピンキリだ。自動運転などもあるが得意分野はそれぞれ。僕らのターゲットは中小企業や地方自治体、農家だ。月額1万円を超えるサービスは売れないが、数がものすごくたくさんある。高度な顔認証ではなく、店内に何人が入ったとか、農場の温度などを安いワンパッケージで提供している。ITリテラシーが低い顧客に対しても、全国津々浦々の保安要員による運用・保守を提供できるのが強みだ」

 --業務効率化への取り組みは

 「設備の保守点検の場で、眼鏡型のウエアラブル端末を今年から本格的に導入したい。従来なら2人でチェックしながら行っていた作業を、1人に減らすことができる。1人が現地で眼鏡をかけて、遠隔地からもう1人が作業を行う様子を確認する。同じ映像を通じて作業手順を指示したり、マニュアルを視界上に表示させたりすることで、作業時間短縮につながる。コールセンターでもこれまでの会話の録音に加えて、AI(人工知能)による聞き起こしもやっている。やりとりから怒っている顧客を判別でき、大きなトラブルになる前に防ぐこともできる」

 --2017年度上半期の光回線の純増数は20.8万件で、前年度比8万件減だった

 「コンシューマー(一般消費者)向けビジネスを中心にずっとやっており、回線の卸販売による携帯電話などとのセット販売「光コラボ」などで需要も掘り起こされたが、基本的には充足感がある。約2年前から法人市場向けに大きくシフトし、付加価値サービスと呼んでいる、保守やセキュリティーなどの分野が期待通り伸びてきている」

 --ADSL(非対称デジタル加入者線)の大半が23年1月末でサービスを終了する

 「ADSLから光回線に移行する際の初期工事費用を5月末まで無料にする。それなりの数が移れば光の純増数をしばらくは下支えするだろう。ISDN(総合デジタル通信網)もATM(現金自動預払機)などで使われているが、できるだけ光化し、サービスを付与して収益も伸ばしたい」

 --昨年は法人向け営業を強化した

 「法人顧客は一度お付き合いすると、システムの調整や回線の入れ替えなどでお話をいただく。従来は営業マンが引き受けていたが、昨年7月にサポートする部隊を設け、営業マンが新規開拓に専念できる環境を整えた。訪問数も2倍となるなど順調だ」

                   ◇

【プロフィル】山村雅之

 やまむら・まさゆき 東工大大学院理工学研究科電気工学専攻修士課程修了。1978年日本電信電話公社(現NTT)入社。NTT東日本東京支店長などを経て、2012年6月から現職。東京都出身。

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