経営

「老舗」企業の破綻が止まらない 成功体験抜け出せず 新興企業も増え「寿命」も低下

 一方、平均寿命が最も短命だったのは投資業などを含む金融・保険業の16.4年(同14.4年)だった。

◆製造業の苦境が際立つ

 2017年に倒産した企業で、老舗企業の構成比を産業別にみると、最高は製造業の52.9%(前年51.6%)で半数を占めた。以下、運輸業40.9%(同32.3%)、不動産業36.9%(同31.0%)と続き、10産業のうち、6産業が前年を上回った。

 製造業は、輸出企業を中心に大手企業が好業績をあげる一方で、倒産した企業は小・零細企業を主体にしている。資金繰りに余裕が乏しいうえ、人材確保による人件費上昇、経営者の高齢化による事業承継難など、取り巻く経営課題に対応できなかった企業が少なくない。

 一方、業歴10年未満の構成比は、金融・保険業44.7%(前年40.9%)が最も高く、サービス業他37.6%(同33.4%)、農・林・漁・鉱業36.2%(同26.6%)と続く。老舗企業で構成比トップの製造業は8.7%(同9.8%)と、業歴10年未満では唯一10%を下回った。

 業歴10年未満で構成比がトップの金融・保険業は、低金利のなかで高配当などを謳って出資金を募るビジネスモデルに無理があった投資(資産)運用会社などが散見された。

◆老舗企業は四国に多く九州で少ない

 2017年の老舗企業の地区別の構成比は、最高は四国の43.7%(前年45.4%)。前年より1.7ポイント低下したが、4年連続でトップとなった。

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