【私の仕事】ユニ・チャーム・稲葉洋恵さん ペットの健康、フードで貢献
更新ユニ・チャームのペットケア部長として、犬用や猫用のペットフードを企画している。
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魚や肉、小麦などの原料を粒状にして乾燥させたものや、ツナの缶詰のようなタイプもある。人間と同じ食事だと塩分を取り過ぎることがあり、「専用食は栄養バランスを考える」。
動物も赤ちゃんと高齢では必要な量や栄養も異なる。「年を取ると食べられる量が減り、少量でも必要な栄養が取れるようにしたり、食べやすいように軟らかくしたりする」
犬用は種類ごとに商品を作ることがある。トイプードルは、跳びはねるのが好きでひざを痛めやすいため、ひざの関節によい成分を多く入れる。
猫用は、飼い主から「食べたものをよくはき出してしまう」という声を聞き、はく回数が少なくなる商品を開発した。「満腹感ではき出すのを防ぐため、粒がおなかの中ですぐに崩れて小さくなるように工夫した」
味やにおいも考える。「動物は正直で、おいしくないものは口にしない。食いつきがよいか確かめる」
ユーザーから「愛犬が亡くなる前に最後の食事としておいしそうに食べていた」と聞くとうれしい。「健康で、飼い主の方と少しでも長く一緒に過ごせるお手伝いをしたい」という。
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【プロフィル】稲葉洋恵
いなば・ひろえ 東北大法卒。1988年ユニ・チャーム入社。2017年からペットケア部長。休日は食べ歩きや愛犬と一緒にゆっくりと散歩をするのが楽しみだ。52歳。宮城県出身。