中小企業

規格外と客つなぐ、ある八百屋の目的地 アグリゲート、稼げる食農事業で起業家育成

 生産から加工、小売りまで一貫して旬の野菜や総菜を届けるアグリゲート(東京都品川区)は、適正価格で旬の商品を消費者に届けるため、近く鹿児島県指宿市でパッションフルーツの栽培に乗りだし、生産部門を強化する。左今克憲社長は「都市の不本意な食生活を豊かにすると同時に地方経済を活性化する課題解決を目指す」と意気込む。

 現在、茨城県つくばみらい市の農場で試験的に野菜を収穫し黒字運営しているが、このノウハウを鹿児島県指宿市の農場のパッションフルーツ栽培にも広げる。パッションフルーツは一番熟れた食べ頃の見た目が悪くスーパーなどでは売りにくい。それだけに自社で展開する接客販売の八百屋「旬八青果店」の強みが生かせると判断した。

 左今社長は人材派遣会社を経て、2010年1月にアグリゲートを設立。見た目が少し悪い「規格外」野菜が、農家で無造作に捨てられているのを目の当たりにして「安くおいしいものを食べたい消費者に届けることができないか」との思いが原点だ。「規格外品を消費者とつなげれば、農家の収入増にもなる」と考えた。

 2013年には「旬八青果店」を出店、規格外品も含め生産者との直接取引で旬の野菜を販売。JR五反田駅から徒歩5分ほどの五反田店の売り上げは1日当たり約20万円と、町の八百屋としては破格。オープン当初の8万円に比べ、2倍以上になった。

 20年には「旬八青果店」と総菜などを販売する「旬八キッチン」の直営店とフランチャイズ店をそれぞれ25店に増やす。今月、川崎市に初めて出店、都内に加え、今後は札幌など地方展開も進める。

 不要な手間やコストを省き、仕入れ価格をさらに抑える工夫にも余念がない。物流も農協の正規品ルートの物流に、規格外ものせる物流ルートを開拓中だ。農協にとっても農家の収入増は最重要課題。市場との関係構築も強化し「誰も損をしないビジネスモデル」を構築中だ。

 起業家育成にも余念がない。小売りや地域商社など「稼げる農と食のビジネスを学んでもらい、農業や小売りまで食農業界を成長産業に変えるのがビジョン」と話し、21年の株式上場も視野にいれている。

【会社概要】アグリゲート

 ▽本社=東京都品川区西五反田1-23-7 五反田シティトラストビル2階

 ▽設立=2010年1月

 ▽資本金=3億821万円

 ▽従業員=132人 (2018年11月時点)

 ▽事業内容=青果物の生産、流通、加工、小売りなど

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