神奈川発 輝く

お土産生産、「脱他県」の挑戦 鎌倉ビール醸造、地域限定の存在感高める

 現在、販売されている地ビールの賞味期限はいずれも90日で、大手メーカーが規定する9カ月に比べるとかなり短め。しかも要冷蔵だ。これは酵母を濾過(ろか)せずに生きたまま瓶やたるに詰めているためだという。「酵母は同じ所作で仕込みを行っても、その日の温度の変化などで微妙に味が変わってくる」(同)。極力、その差が出ないように調整しているというが「その変化も手作りならではと楽しんでもらえたらありがたい」とも、今村社長は語る。

 おいしい水道水使う

 国内外のさまざまなバイヤーから異なる原料を調達し、品質を維持するために、これまで約50回ものレシピ更新を行ってきた。そんななか、創業以来一貫して変わらないのが、使われている「水」。意外にも使用しているのは水道水だという。「神奈川の水道水は、もとをたどれば富士山の伏流水。ヘタに井戸を掘るよりも、安定的に上質な水を得られる」(同)

 鎌倉という立地条件が味方したおいしい水は、特別な浄水器を通したうえで使用される。こうして造られた商品は今では市内約200店舗の飲食店で提供されている。今年1月からは、これらの飲食店向けにたる単位で用意していた限定醸造ビールの瓶詰販売も開始。地元を盛り上げるため、今後も販売地域を広げるつもりはないという。

 日本のビール市場に占める地ビールのシェアは0.6%。そのなかで目指すのは、「主張はしないが存在感のあるビール造り」(同)。「飲み手にどう感じてもらうかを最優先にしたい」と今村社長の鼻息は荒い。(宇都木渉)

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