神奈川発 輝く

お土産生産、「脱他県」の挑戦 鎌倉ビール醸造、地域限定の存在感高める

 --良い商品を造り出すために実践していることは

 「ビールの味は、空腹でも満腹でも、分からなくなってしまう。そのため、担当者は朝食を取ったうえで、午前11時に試飲をするようにしている。また、週に1回、社員全員が顔を合わせて、商品の方向性について話し合っている。あとは月1回の懇親会も大切な場だ。ここでは担当者による試飲のときとは全く違って、リラックスして自分たちが造ったものを飲んで、食事を楽しむ。そうすることで、消費者の気持ちに一歩近づけると思っている」

【プロフィル】今村仁右衛門

 いまむら・にえもん 本名は仁。横浜市立横浜商業高卒。映画会社、レコード会社勤務を経て、1982年に家業の「今村酒店」を継ぐ。97年、父と「鎌倉ビール醸造」を設立し、2009年代表取締役に就任。61歳。神奈川県出身。

■ □ ■

 ≪イチ押し!≫

 ■苦み抑えて味わいすっきり

 「初夏の鎌倉」をイメージしているという地ビール(クラフトビール)の「月(アルト)」は、1998年に鎌倉ビール醸造が初めて販売を始めた商品で、「ラーメンでいうところのしょうゆ味。全ての基本になっている」と今村仁右衛門社長。苦みが抑えられたすっきりした味わいは、豆腐料理や野菜を中心とした和食、ホワイトソースを使った料理などに向いているという。

 生きた酵母が詰め込まれており、その数は1ミリリットル中に1000万個以上。品質維持のために、冷蔵保存が必要だ。2010年には、ヨーロッパで毎年開催されるビールの審査会「ワールド・ビア・アワード」のカテゴリー別ランキングで最高賞を受賞した。

 アルコール度数はやや高めの6%。330ミリリットル瓶で実勢価格は税込み580円前後という。

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