金融

国移行の休眠預金、返還可能? 来年始動の新制度、その背景

 金融機関の口座に眠ったまま出し入れが10年以上にわたって行われていないお金「休眠預金」の管理が国に移行し、社会的課題に取り組む民間団体の支援に活用される仕組みが来年1月始まる。こうしたお金は年間約700億円程度発生する見通しで、申請すれば払い戻しは可能。だが手続きが煩雑になる恐れがあり、手元の預金をもう一度確認した上での申請が必要となりそうだ。

 「長い間、お取引のない預金はありませんか?」

 制度開始を翌月に控え、金融機関は店頭で休眠預金に関するリーフレットを配布している。三菱UFJ銀行は10月末から対象口座に通知を送っているほか、三井住友銀行、みずほ銀行も来年から発送を開始する。

 通知を受け取ることができれば休眠預金ではないと判断される。銀行関係者は「休眠預金となっても利子を含めていつでも引き出しは可能」とし、顧客に冷静な対応を呼びかける。

 この制度は今年1月に施行された「休眠預金活用法」に基づいている。口座内のお金は、若年層の支援や地域活性化に取り組む民間非営利団体(NPO)などの支援に使われる。来年秋にも実際に助成が始まる。

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