元日休業が拡大 外食やスーパー、売上高減も従業員の士気向上
外食チェーンや大手スーパーなどで働き方改革を意識し、来年の元日を休業にする動きが広がっている。通常より来店客数が少ないため休みとし、従業員やパート、アルバイトらに家族と過ごす機会を提供。リフレッシュしてもらうことで士気を高める狙いだ。
ラーメン店「幸楽苑」を展開する幸楽苑ホールディングス(HD)は、来年の元日を休業にする。今年の大みそかも閉店時間を午後3時に早める。元日も営業するショッピングセンター内の店舗など一部では元日の営業を継続するが、全店舗の約8割にあたる430店舗が休業する。これにより売上高は2億円程度減少する見通しだが、従業員らの士気を高めることで、その分をカバーする。
串カツ田中HDは、働き方改革が注目される以前から大みそかと元日を休業にしてきた。今回も約8割の店舗が休業予定だが、大手外食では異例の12月30日から1月3日まで5連休を設定する店舗もある。
スーパーでは、首都圏で約300店舗を展開するマルエツ(東京)が23年ぶりとなる元日休業を決めた。今年度を「事業構造転換の年」と位置づけており、生産性の高い職場への転換の象徴として元日を休むことにした。リフレッシュし、翌2日から活気のある売り場にして休業分の減収を巻き返す。
すでに元日を休みにしているサミット(同)は来年、2日も定休日とする。ほぼ全店で2日まで休業にするのは30年ぶりという。
こうした外食や流通各社の休業拡大は、苦戦する採用活動を意識した側面もある。学生側から「正月も休めない会社への就職は避けたい」という声が聞かれる中、格好のアピール材料としたいところだ。
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■外食やスーパー各社の元日休業
【外食】
・幸楽苑HD 大みそかは午後3時に閉店し、元日休業
・串カツ田中HD 約8割の店舗が元日休業。5連休店舗も
・大戸屋 大みそかと元日で約80店舗を休業
【スーパー】
・マルエツ 23年ぶりに元日休業
・いなげや 元日に続き2日を休業
・サミット 30年ぶりに元日と2日を休業
※HDはホールディングスの略