試乗スケッチ

やはり「Mに始まりMに終わる」 刺激的なBMW・M2コンペティション

木下隆之

 「やっぱりツーリングカーはMに始まりMに終わるのかもしれない」-。柄にもなく、そんな車哲学的な思いを巡らせてしまったのは、BMW・M2コンペティションの刺激の渦に巻き込まれたからだ。(レーシングドライバー/自動車評論家 木下隆之)

 座った瞬間に始まる「M2の世界」

 ブランパンGTアジアにBMW・M4GT4で参戦し、BMWの速さと強さを実感していることと無縁ではないだろうが、いつからもどこからでも刺激が襲ってくるMに触れたらもう、その隙のない力強さに平伏すしかない。

 優れた剣豪がそうであるように、鍔と鍔を絡めて競り合った最後、引くことも打ち込むことも許してはくれなさそうな緊張感がある。コクピットに腰をすえて、極端に太いステアリングに手を添えた瞬間にすでに、M2の世界に引きずりこまれる。隙がないのだ。

 車両を借りた御殿場から、事務所のある横浜までの約1時間ほどの道中で、M2コンペティションが意識から薄れた瞬間は一度もなかった。常に存在が迫ってくるのだ。

 M2コンペティションは、その名から容易に想像するように、M2の強化版である。ベースのM2がそもそも武闘派の急先鋒なのに、M2コンペティションになって刺激度をさらに高めたというのだから驚きだ。

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