金融

地銀、資金洗浄疑いで口座解約 預金規定改定方針で足並みそろえる

 全国103の地方銀行は27日までに、取引目的や住所などの確認に応じないなど、マネーロンダリング(資金洗浄)に使われている疑いが強いと判断した個人の普通預金口座について、取引停止や解約ができるよう預金規定を改定する方針を固めた。銀行関係者への取材で分かった。

 これまでは疑わしい事例があった場合、規定上、取引停止や解約の対象となる「法令違反」や「公序良俗違反」に当たるか検討していたが、判断が難しかった。資金洗浄対策の国際審査を今秋に控え、規制対象となる事例を明確に示し、足並みをそろえ口座管理に乗り出すことにした。

 全国地方銀行協会(地銀協)に加盟する64行と第二地方銀行協会に属する39行で、規定改定の内容や時期は各行が判断する。6月以降、順次改定の動きが進む。

 三菱UFJ、三井住友、みずほの大手3行は、6月から同様な預金規定の改定に踏み切ると明らかにしていたが、地銀は対策が遅れていた。具体的には「(取引目的や住所などの確認を求める)資料に対し期限までに回答がない」場合は取引停止に、「情報照会に嘘の回答をした」場合は解約などとする方向だ。

 国際組織「金融活動作業部会」(FATF)は今秋、日本の金融機関を対象に資金洗浄対策の状況を審査する予定。地銀協は怪しい人物の顧客情報や送金事例を共有するシステムの構築などを検討したが、金融庁から資金洗浄の疑いが強まった場合の具体的な対策が講じられていないと指摘されていた。

 資金洗浄は、複数の金融機関を経由するなどして出どころを分からなくする手口。海外の詐欺グループやテロリストへの資金供給などにも使われるとされ、金融庁は金融機関に対して顧客管理の厳格化などを求めるガイドラインを公表している。

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