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NHK、ネット常時同時配信 改正放送法成立、民放への配慮措置も

 NHKにテレビ番組のインターネット常時同時配信を認める改正放送法が29日の参院本会議で、与党などの賛成多数により可決、成立した。NHKは本年度中にネット向けの新サービスを始める計画。受信料契約を結ぶ人は、追加負担なしに、ネットでリアルタイムに番組を見られるようになる。改正法は、民放の事業を圧迫しないようにする措置も定めた。

 改正前は、NHKが同時配信できるのは災害報道や一部のスポーツ中継などに限られていたが、スマートフォンなどを通じたネット視聴の広がりに対応する。同時配信は遅くとも、東京五輪の聖火リレーが始まる来年3月に間に合わせる考え。新サービスは契約世帯の人が対象で、追加料金は求めないとしている。

 放送・通信の垣根が低くなりそうな半面、民放にはNHKの肥大化を懸念する声があり、改正法は配信の内容や費用に関する基準を策定、公表することをNHKに義務付けた。基準が守られていない場合、総務相が順守するよう勧告できる。

 NHKの監査委員に役員の責任を追及する役割を与えるなど、相次ぐ不祥事を踏まえた企業統治の強化策も盛り込んだ。

 改正法の検討過程では経営努力を求められ、NHKは10月の消費税増税時に受信料を据え置き、来年10月には値下げする方針を示している。

 NHKは改正法成立を受け「放送と通信の融合時代にも、視聴者に信頼される『情報の社会的基盤』の役割を果たすよう取り組む」とのコメントを出した。

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