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「ドラゴンクエストウォーク」発表 スクウェア・エニックス 外を歩いてモンスターと戦える

 スクウェア・エニックスは3日、位置情報を使ったスマートフォン向けゲーム「ドラゴンクエストウォーク」を年内に開始すると発表した。プレーヤーは外出して歩くと、現実の地図と連動した画面に出現するゲームキャラクターと戦うといった冒険をすることができ、国民的ロールプレーイングゲーム(RPG)の世界観を味わえる。健康志向の高まりを追い風に、歩いたり、休んだりといった日常生活を娯楽に変えるスマホゲームが次々と登場しており、大きな収益を生む期待が高まっている。

 スクエニは本サービスの開始に先立つ6月11日から、東京都や神奈川、千葉、埼玉県など、関東限定で2万人に体験版を先行配信する。本サービスの開始後は全国で遊べる。

 ゲームでは、ドラゴンクエストの登場人物からさまざまな依頼を受けて、目的地に向かって歩く。道中に出現したモンスターと戦って、冒険を進める。京都市の金閣寺や那覇市の守礼門など、実際の観光名所も登場。その土地ならではの冒険が用意されており、観光振興にも一役買いそうだ。

 ドラゴンクエストシリーズのゲームデザイナーの堀井雄二さんは「町にモンスターが出現するので新しい体験ができる。スマホを持って冒険を楽しんでほしい」と話した。

 位置情報ゲームは2012年、米グーグル発のナイアンティックが開発した「イングレス」で人気に火が付いた。ナイアンティックと株式会社ポケモンが共同開発した「ポケモンGO」が16年に配信されると、老若男女を問わず、街中でゲームを遊ぶ光景がみられた。18年末までのダウンロード数は全世界で約10億超に上る。

 昨年8月末に神奈川県横須賀市で開催した限定ポケモンが出現するイベントでは、抽選制にもかかわらず、5日間で20万人以上が集まった。観光の誘客効果への期待も高く、地方自治体なども注目している。

 位置情報ゲームは、歩くという日常行為を収益に結びつけた。米調査会社のセンサータワーによると、ポケモンGOの19年1~3月期の売り上げは前年同期比39・4%増の2億500万ドル(約222億円)だった。このうち米国市場が約35%、日本市場が29%程度を占める。

 株式会社ポケモンはポケモンと一緒に睡眠時間を計測しながら休息するサービス「ポケモンスリープ」を来年に開始する。国内外で人気の高いシリーズのゲーム化で、健康増進とゲームの融合が加速しそうだ。(高木克聡)

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