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楽天・三木谷氏が講演「高速ネットを安価に」 新技術導入で5G移行加速

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は31日、横浜市内で講演し、10月から参入する携帯電話事業について「モバイルネットワークを民主化する。高速ネットワークを安価に使えるように変革する」と強調した。第5世代(5G)移動通信システムで大量にやりとりされるデータを処理するため、インターネットを介さず、端末の近くで一部のデータを処理する「エッジコンピューティング」を活用する構想を発表。中間処理をする「エッジサーバー」を全国4千カ所に設置する計画を明かした。

 楽天の大型展示イベント「Rakuten Optimism」で基調講演した。

 三木谷会長は「自分たちが通信ネットワークの常識がひっくり返す」と新規参入への意気込みを述べた。エッジコンピューティング技術で、大量のデータをやりとりしても遅延が生じず、「10年以内に運転手のいない完全自動運転が実現する」とも語った。

 楽天は基地局などの設備には汎用(はんよう)品を使い、ソフトウエアの改良でサービス向上させる「仮想化」と呼ぶ新技術を採用する。設備の投資費用を抑制することで安価な通信料金を提供できるとしている。

 三木谷会長は、5Gが普及するにつれて「国の定義も変わってしまう可能性もある」と指摘。高速通信の新技術と整備費用の抑制の両輪で、5Gへの移行を加速する。

 携帯電話事業子会社「楽天モバイル」の山田善久社長は、通信料金について「既存の携帯電話大手に比べて、何らかのインパクトのある料金体系にしないと意味がない」と自信をみせた。基地局の整備費用は「(6000億円の)予算の範囲内に収まっている」との見方を示した。

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