金融

資産形成セミナーが好評 「2000万円」問題で関心高まる

 「老後に2000万円が必要」とする金融庁金融審議会の報告書をめぐる騒動をきっかけに、資産形成への関心が高まっている。金融機関が開くセミナーは大盛況で、長期投資型の少額投資非課税制度「つみたてNISA(ニーサ)」の申し込みも増えている。キーワードは、「人生100年時代」に備えた“資産延命”だ。

 みずほ証券には、企業や自治体から、資産形成に関する講座開催の依頼が殺到している。2000万円問題がクローズアップされた6月から足元までの依頼件数は、前年同期比で約5倍となった。

 「資産運用は若い時から始めることが大切だと分かった」。同社が7月中旬、福岡市で開いた講座では、参加者からこんな感想が寄せられた。

 野村証券では、店舗でのセミナー予約件数が、6月は前月比で6倍に増えた。個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の資料請求件数も2割増えた。

 つみたてNISAも注目の的だ。大和証券のインターネット経由の申込件数は、6月は前月比7割増。マネックス証券は66%増で、特に50代以上の女性の増加が目立つという。

 投資信託の世界では、資産残高から一定割合を取り崩す分配方式が増えてきた。「決まった金額を取り崩す方式に比べ、資産の目減りが少ないため、資産の寿命を延ばす効果がある」(三井住友DSアセットマネジメント)という。

 お金のデザイン研究所の加藤康之所長は「年齢が上がると将来所得は減っていく。資産の価値を常に高めることが大事だ」と話している。

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