金融

地銀協、人材派遣参入を要望へ 地元中小の働き手確保で支援

 全国64の地方銀行が加盟する全国地方銀行協会(地銀協)は12日、銀行の人材派遣業参入を解禁するよう政府に要望する方針を固めた。認められれば、地銀は後継者や働き手不足に悩む地元の中小企業に必要な人材を送り込めるようになり、超低金利で先細る収益を補えると期待する。政府は要望を受け、解禁の是非を慎重に検討する意向だ。

 毎年、政府に提出している規制緩和要望書に盛り込む。17日に予定する地銀協の理事会で決定後、内閣府に提出する。

 金融庁は昨年、銀行が取引先企業に後継ぎや専門技能を持つ幹部人材を紹介することを解禁した。しかし、地銀協は中小企業の働き手確保でより踏み込んだ支援をするには、銀行と雇用契約を結んだ信頼できる人材を企業に送り込める派遣業参入が欠かせないと判断した。派遣業は紹介業より高い手数料が見込める。

 中小企業が新事業を始めようと思っても、その分野に詳しい人材を採用するのは難しい。地銀が人材派遣業を手掛ければ、取引先企業の情報を集めた独自のデータベースから、新事業の分野に詳しい人材を探し出して派遣するといったことが可能になりそうだ。中小企業をめぐっては、2025年には70歳以上の経営者が約245万人に上るが、ほぼ半数の127万社は後継者が未定という経済産業省のデータもある。地銀協は、手を打たないと中小企業の廃業が急増し、融資している地銀の経営に悪影響が及ぶと懸念している。

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