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国体初のeスポーツ大会 若年層中心に健全性アピール ゲーム産業のすそ野拡大に期待

 第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」で、コンピューターゲームで対戦する「eスポーツ」の全国都道府県対抗選手権が5日、開かれた。国体では初の試み。eスポーツは国内でも人気が高まってきたが、新たに認知されつつある“競技”だけに抵抗感も根強い。関係者は国体での実施で、青少年を中心にeスポーツの健全性をアピールしたい考えだ。(高木克聡)

 eスポーツは「文化プログラム事業」として行われ、セガゲームスのパズルゲーム「ぷよぷよ」、サッカー、自動車レースの3種目を実施。全都道府県から代表チームが出場し、6歳から60代までの約600人が参加した。この日は予選が行われ、勝ち抜いた選手が6日に決勝戦を戦う。ぷよぷよでは、全国を8ブロックに分けて小学生大会が行われ、小学3年生の児童も地域代表としてゲームの腕前を披露した。

 欧米や中国などで盛んなeスポーツは日本でも人気が出てきた。高額な賞金が話題となる一方、練習で児童や生徒の学業がおろそかになるなどの批判もある。5月に世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を疾患として認定したこともあり、健康上への懸念も根強い。

 eスポーツでは今後、遠隔地を通信網でつないで対戦するなどの大会運営が想定される。今回は通信設備でNTT東日本が協力しており、来春商用化する第5世代(5G)移動通信システムの高速・低遅延といった特長も生かせそうだ。eスポーツに注力することで5Gのインフラ整備につなげようと、大会を積極誘致する自治体の思惑もある。

 セガゲームスの松原健二社長は、「大会を通じて年齢層が広がり、(ゲーム産業の)すそ野拡大につながる」と期待感を示した。

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