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スマホ秋冬商戦、中価格帯を充実 総務省の端末代規制も影響

 携帯電話各社が秋冬に発売するスマートフォンで5万円以下の中価格帯の品ぞろえを充実させている。10月から始まった新規制で端末代金の大幅な割引が制限されたためだ。回線契約数が頭打ちとなる中、従来型携帯電話の利用者にスマホ移行を促す入門機種として定着させる狙いがある。

 ソフトバンクは17日、12月上旬にシャープのスマホ「アクオス センス3 プラス」を発売すると発表した。価格は未定だが、同機種を3万円台で発売するKDDI(au)と同水準になる見通し。同社は格安ブランド「ワイモバイル」でも値ごろ感のある端末をそろえた。11月上旬以降、中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)や京セラのスマホを順次販売する。

 NTTドコモは11月1日にサムスン電子のスマホ「ギャラクシーA20」を発売。現行の第4世代(4G)移動通信システムに対応したドコモの機種としては初めて税別価格が2万円を切った。KDDIも中価格帯をそろえ、傘下のUQコミュニケーションズでは中国通信機器大手、OPPO(オッポ)のスマホを11月上旬以降に投入する。

 背景には10月から始まった新しい携帯販売のルールがある。通信契約を条件にした端末代の割引が2万円までに規制され、米アップルのiPhone(アイフォーン)など、これまで大幅な割引を受けてきた高価格機種の販売は苦戦を強いられる見通しだ。

 各社には、来春の5G商用化に向けて、スマホへの移行を促進する狙いもある。国内の契約件数が頭打ちとなる中、スマホを核にさまざまなサービスの利用料で収益を上げるビジネスモデルを強化するためだ。

 ドコモ傘下のモバイル社会研究所の調査では、スマホ普及率は85%だが、高齢者を中心に従来型携帯電話の利用意向も根強い。手頃な価格のスマホの普及が、各社の課題となっている。(高木克聡)

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