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「マスクがない」ごみ清掃芸人が痛感するコロナ禍の副作用

 普段から年間643万トンの食品ロスが出ている

 コロナウイルス感染拡大により歓楽街の客足が遠ざかっていることから、事業系のごみは減っているが、その代わり家庭ごみが増えている。ただでさえ普段より多い家庭ごみの中に、まだ食べられる食料がごみとして捨てられると収集不可能な程の量になる。コロナウイルス以前でも日本の食品ロスは年間643万トンで、世界でも上位に入る食品ロス大国である。

 このような現状に終止符を打つため法律が制定されたばかりだが、普通に生活しているだけで、643万トンもの食品ロスを排出するのだから、この騒ぎによりため込んだ食べ物が各家庭できちんと消費されなければ、もっと増えるのではないかと危惧している。集積所に出されれば、ごみを回収すること自体が仕事なので、われわれは何も言わず回収する。だが、まだまだ食べられる食べ物に胸を痛める清掃員は珍しくない。

 一度に大量に出されるごみほど嫌なものはない

 コロナウイルスの流行でごみ回収に起きた変化といえば、ペットボトルと弁当箱が増えたことだ。

 ペットボトルごみが例年最も増えるのは夏場だ。それがいま、夏直前の量になっている。弁当の空き容器もあきらかに増えた。家にいる人の数がコロナウイルス以前に比べて増えていることを、こんなところで目の当たりにしている。ちなみにレモンサワーの空き缶も増えたような気がするが、これははやりだからなのか、それとも自粛で外食を控えた結果、自宅で飲むことが増えたせいなのかどうかは判別できない。

 それともうひとつ、増えているものがある。「断捨離」の結果と思われるごみだ。

 もともと3月は引っ越しシーズンなので、例年まとめて出されるごみが多い。さらに今年は、家にいる時間が長いのを良いきっかけにしたのか、一軒の家から大量のごみが出る。あまり知られていないが、本来ならば規定で一回に出してもよいごみの量は3~4袋である。それ以上になる場合には清掃事務所に電話をしなければならない。

 とにかくごみ清掃員にとって、一度に大量に出されるごみほど嫌なものはない。

 その点からいうと、古紙回収に関しては助かったことがあった。だいたい毎年、終業式が終わってから次の新学期が始まるまでの間に使い終わった教科書、ノート、プリントが古紙回収に出される。引っ越しシーズンのピークに出される『週刊少年ジャンプ』や、新たな入居者が捨てる大量のダンボールなどと一緒になって、われわれを悩ませるのだが、今年は3月の頭に学校が休校になった影響で、いつもより1カ月程度早く出されていた。

 不慣れなドライバーの増加を路上で感じる

 もうひとつ、意外なところに出ている影響としては、道がいつもより混んでいるということが挙げられる。

 満員電車を避けるためだろうか、幹線道路が普段より混んでいるのだ。「なんで今日、混んでいるんだ?」という日が続いて、気付くまで少し時間がかかった。後方に気を配らないで車線変更する車や、普段はスムーズに流れる道で躊躇(ちゅうちょ)している車を見掛けることが増えた。日頃は運転しない、不慣れなドライバーが路上に出てきているのだろう。

 自転車通勤もコロナ以前より増えている。これもまた満員電車を避けてのことだろう。車輪を見るとおろしたてだとわかる。これを機に、自転車通勤に切り替えた人が増えたのかもしれない。

 それはいいが、交通ルールのマナーの悪い自転車利用者が増え、ごみ収集車の運転手を辟易(へきえき)させている。イヤホンをしていてこちらの接近に気付かない人や、車道と歩道を都合よく使って急に飛び出してくる人がいるので、ひやりとする場面が増えた。逆走をしてくる自転車もいる。減速しなければ危険に及ぶこともあるので、運転手は神経を消耗する。

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