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テレビ通販にも巣ごもり特需 視聴の機会増え注文増加

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛を背景にインターネット通信販売だけでなくテレビ通販も売り上げを伸ばしている。消費者が自宅でテレビを見る機会が増えたほか、強みを持つ家電やインテリア、健康器具などの品ぞろえが自宅の生活を充実させたいニーズを取り込んでいる。一方、注文を受け付けるコールセンターが感染拡大防止で縮小を余儀なくされるなど、新たな態勢整備も課題となっている。

 「消費者の巣ごもり需要とのニーズが合ったのかもしれない」。ショップジャパンを運営するオークローンマーケティングの担当者は声を弾ませる。

 4月後半における同社の売上高は前年同期比で23%増。特に同社で人気の低反発マットレス「トゥルースリーパー」シリーズの新商品や電気圧力鍋などが好調で、「自宅で快適に過ごすための商品が人気となっている」と分析する。

 ジャパネットたかたでも外出自粛が本格化した3~4月、炊飯器やフライパンが前年の1.5~2倍に伸長。ジュピターショップチャンネルが運営するショップチャンネルは健康器具や健康食品の引き合いが堅調で、運動不足を気にする消費者から好評という。

 テレビ視聴機会の増加もテレビ通販との出合いを演出。ビデオリサーチによると、緊急事態宣言が全国に拡大した4月13~19日の視聴時間は1個人当たり1.2倍で、1.5倍超となった世代もある。在宅勤務の拡大や学校の臨時休校などでテレビ視聴が増え、「通販番組を目にする機会も増えた」(関係者)という。

 一方、コロナの感染拡大により、運営面では制限も余儀なくされている。

 ジャパネットは注文やアフターサービスを担うコールセンターでの感染拡大を防ごうと、従業員同士の間隔を1.5倍に拡大。ホテル個室もコールセンターとして活用するが、対応人員は以前の約6割。同社は電話でなくネットによる注文を増やすため、5月末までネット注文利用者に対し、次回の注文で使えるクーポンを付与する。

 ショップチャンネルでは番組出演者の感染防止のため、生放送の時間を以前の3分の1の計7時間に短縮し、「注文状況を見ながら臨機応変に番組内容を変えるという手法ができなくなった」(担当者)という。同社は感染防止策を整備したうえで6月5日以降、生放送時間を16時間まで拡大する予定だ。(佐久間修志)

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