金融

福岡「スポーツ推進基金」、クラウドファンディングで地元選手の活躍後押し

 福岡県が設立した県スポーツ推進基金が、クラウドファンディング(CF)で福岡ゆかりのスポーツ選手やチームの支援に乗り出した。第1弾として、県内を拠点に活動し、2022年北京冬季五輪出場を目指すアルペンスキーの荒井美桜選手(24)の海外遠征費などを集める。CFを通じ地元選手の認知度向上にもつなげたい考えだ。

 同基金は、世界で活躍する福岡発トップアスリートの育成と大規模スポーツ大会などの誘致・開催を目的に、県が昨年9月に設立し、今年4月から公益財団法人になった。

 CFは、同基金が自主運営する。同基金によると、スポーツ財団によるCFの運営は全国的にも珍しい取り組みだという。民間事業者によるCFと違い、県内に活動拠点があることなどの条件を満たす非営利目的の活動であれば、調達額に応じて支払う手数料は無料となり、選手らにとってもメリットとなる。

 荒井選手を対象にしたCFは、期間が8月31日までで、100万円を目標にしている。購買型CFで、支援者は支援金額に応じて荒井選手本人によるオンラインレッスンが受けられたり、サイン入りグッズがもらえたりする。

 荒井選手は北海道出身で、現在は福岡県のサンミリオンスキークラブに所属。今年3月の全日本スキー選手権大会で初優勝し、北京五輪を目指している。五輪の選手選考はポイント制で、今後より多くのポイントを獲得するためにはレベルの高い欧州での大会に参加することが不可欠だという。

 このため、CFで得た資金は主に欧州への遠征費に充てる。昨年以降は新型コロナウイルスの感染拡大によって、海外大会への転戦が難しい状況が続いているが、荒井選手は「五輪出場にはヨーロッパでの経験や実績が必要。少しでも多くの人に応援してもらい、五輪で結果を出したい」と意気込んでいる。

 同基金は8月以降、福岡市出身で東京五輪水球日本代表の荒木健太選手(26)を支援するCFも始める予定だ。

 同基金の仲谷隆造事務局次長は「ファンとアスリートをつなげる場としてもCFは有効だと考えている」と話す。

 今後はアスリートだけでなく県内で開催される大会やイベントについてもCFを通じて支援し、県内スポーツの振興を図る。(小沢慶太)

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