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【衝撃事件の核心】「購入者は本当に愛しているのか」 価格30倍にも…密輸絶えない野生動物

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【衝撃事件の核心】「購入者は本当に愛しているのか」 価格30倍にも…密輸絶えない野生動物

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 タートルショック-。関係者の間ではそう呼ばれることもあるらしい。直訳すれば「カメの衝撃」だが、意味合いとしては、世界的規模の金融危機「リーマンショック」の使われ方に近い。ここ数年で、何種かのカメの経済的価値が激変したというのだ。野生動植物の保護を目的としたワシントン条約による取引規制が強化され、その反動として市場価格が跳ね上がった。このためブローカーによる投機対象となり、5月には希少カメをスーツケースで密輸しようとしたとして、男3人が大阪府警に逮捕されている。タートルショックの実情を追った。

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 靴下に大量のカメ

 3月28日夜、関西国際空港の通関検査エリア。税関職員が中国から帰国した男(28)に目をつけた。

 男は同月にパスポートを取得したばかりで、今回が初めての渡航だった。「1人で中国に行った」というが、初めての海外のはずなのに、単独行というのが気になった。

 税関職員が男のスーツケースを検査すると、沢山の衣類にまぎれた複数の靴下が、妙に膨らんでいた。

 靴下の中にいたのは、何と生きたカメだった。ワシントン条約で輸出入が規制されているフロリダハコガメなど希少種39匹。中には1足の靴下に小さなカメが7匹も詰め込まれていた。長時間に渡り、劣悪な環境に閉じ込められていたからだろうか、39匹は日を追うごとに弱り、6月6日までに12匹が死んだ。

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