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イオンとヨーカドーの戦略は? 婦人服で「自社ブランド」積極展開

ニュースカテゴリ:暮らしの余暇

イオンとヨーカドーの戦略は? 婦人服で「自社ブランド」積極展開

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イオン「ペルソデア」はフェミニンなフレンチカジュアル。インナー付きニットはファッション誌との共同開発品でトレンドの透け感も織り込む=千葉市美浜区のイオン幕張新都心店  ■イオン 年齢層細分化、30代を拡充/ヨーカドー 「母娘で同じ」、より高級

 手頃な値段だけど普段着にしかならない…。総合スーパーの自社開発ファッションブランドに、こんなイメージを抱いていないだろうか。「ファッションを楽しみたい」という消費者の声を受け、婦人服で積極展開するイオンとイトーヨーカドーに聞いた。(日野稚子)

 全てを再構築

 自社ブランドのラインアップを全面的に見直し、今月、リニューアル中のイオン(千葉市美浜区)。昨春から1年掛かりで商品計画、素材仕入れ先、製造委託先など全てを再構築した。その結果、3ブランドだった婦人服はターゲット年齢層別に、30、40代「ペルソデア」▽50歳「エシーム」▽65歳「ジュネママン」▽70歳「ビーアス」-と細分化。要因として、「市場規模が大きい50代以上を意識し過ぎ、服のデザインが年寄りくさい感じになり、ブランド支持が高かった30代向けは手薄になっていた」と、イオンリテール(同)衣料商品企画本部レディス商品部の横山徹部長は話す。新ブランドでは、宝島社(東京都千代田区)のファッション誌数誌に協力を仰ぎ、共同開発したアイテムも登場させている。

 中心のペルソデアはフレンチカジュアルを提案するが、キレイめタウンスタイルは「ペルソデア ブルーレーベル」、ジーンズなどカジュアルな定番は「ペルソデア グリーンレーベル」など4つのサブブランドを設けた。百貨店のように商品を勧める店員がいなくてもレーベル内でアイテムを選べばコーディネートが完成する仕掛け。ニットやスカート・パンツ2980円、カットソー2380円、ワンピース3980円(いずれも税別)とお手頃だ。「今年は通年でスカートを提案していきたい」(横山さん)

 接客で提案

 ブランド展開4年目を迎えたイトーヨーカドーの「ギャローリア」はターゲット年齢層を設けていない。購買層は30~50代で、「母娘で同じ物を選んでいく」と、商品企画を手掛けるイトーヨーカ堂(同)専門店担当MDの鈴木美和子さんは話す。購買層は体形の変化が気になる年代のため、「すっきり見せたい」などの要望を満たすシルエットを心掛ける。

 トレンドはほどよく取り入れている。例えば、今季のトレンドは白色コーディネートや透け感がキーワードだが、「丈や素材違いなど白色パンツは昨年より多く展開」(鈴木さん)したり、透け感はざっくり編んだニットを提案したりする。普段使い向けには「ギャローリア オフスタイル」、通勤着には「ギャローリア オンスタイル」と2つのサブブランドで対応する。

 接客にも力を入れ、同一傘下の「そごう・西武」(同)アパレル担当が接客指導へ出向いたり、各店の担当者を集めた研修も行ったりしている。ニットで4千円前後、スカート・パンツは4千~5千円前後などスーパーの衣料品としては少し高価格だが、「接客を通じて素材の良さやコーディネートを説明できる」と自信を見せる。

 今年2月には価格帯が1・5~2倍の「ギャローリア プレステージ」を全国20店で展開。無縫製のニットカーディガンや従来品より厚い生地のパンツなど縫製や素材にこだわった定番をそろえ、「良い物を長く着たい」という消費者ニーズに応えるという。

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