介護離職ゼロへ企業の本気度 セミナーや手厚い資金…仕事との両立支援
更新介護を理由とする離転職者が年間10万人超という事態を受け、介護離職ゼロを掲げる政府は今年、介護休業制度の見直しに乗り出す。介護を担う中高年層は管理職や経営幹部など職場で重要な役割を担う世代で、人材流出は企業にとって深刻な問題だ。団塊世代が70代を迎える2020年以降、介護者はさらに増える見込み。待ったなしの状況に企業も動き出している。
「8割の社員が将来的に介護をする可能性がある」
大日本印刷は4年前、グループ内の40歳以上の社員を対象に介護に関する調査を実施。介護予定者の多さに、支援の必然性を実感したという。
同社が介護を重要課題に据えたのは、10年と比較的早い。介護休業は366日までとするほか、特別有給休暇の設定など法定水準を上回る制度は既にある。
しかし、社員に最も好評なのは「仕事と介護の両立支援セミナー」だ。全国の支社にテレビ中継も行う。管理職を対象とした研修、専用相談窓口の設置など「休むより働き続けるサポートに力を入れている」と、井上邦夫労務部長は話す。
14年に全社員を対象とした在宅勤務を導入した三菱ふそうトラック・バス。その制度利用者の1割以上は介護が理由だ。
