月183時間残業のハイヤー運転手過労死 逆転で労災認定 「待機も労働」
更新ハイヤー運転手の男性=当時(63)=が心筋梗塞で死亡したのは、最大月183時間の残業など過労が原因だとして、東京労働局労災保険審査官が労災認定していたことが26日、分かった。決定は3月28日付。運転手の待機時間の評価が異なり、不認定だった新宿労働基準監督署の決定を覆した。
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決定書などによると、男性は平成25年、東京都新宿区にある車両運行管理業の会社に入社。同社と請負契約している神奈川県内の会社の役員付き運転手として勤務していた。休日もゴルフ場へ役員の送迎を行うことが多く、残業は半年間で平均月148時間に及び、27年10月に運転席で倒れているのが発見された。
遺族は同年12月、新宿労基署に労災請求したが、労基署は28年6月、待機時間を労働時間に含めず、「就労状況に過重が存在したとは考えられない」として、認定しなかった。
このため、遺族らは労働局の審査官に審査請求。審査官は、待機場所にパイプいすと机が置いてあるだけで仮眠などできないスペースだったとして、待機時間も労働時間に含めた。
運行業の会社は「コメントできない」としている。