厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は２６日までに２０１７年度の地域別最低賃金の改定について、全国平均の時給を２５円引き上げ、８４８円とする目安をまとめた。０２年度に現在の方式になって以降最大だった１６年度の２５円と並び、２年連続の３％引き上げになった。

　労使の隔たりは大きかったが、政府が３月の働き方改革実行計画で掲げた「年率３％程度」の目標に合わせる形で決着した。最低賃金はパート労働者を含む全ての働く人に企業が支払う賃金の下限額。都道府県ごとに決められており、現在の全国平均は時給８２３円。

　地域の経済情勢などに応じてＡ～Ｄの４つのランクに分けられ、小委員会は上げ幅の目安額として、東京などのＡは２６円、静岡などのＢは２５円、北海道などのＣは２４円、沖縄などのＤは２２円をそれぞれ示した。本年度から３県のランクを引き上げ、埼玉はＡ、山梨はＢ、徳島はＣに変更した。中央審議会は２７日に正式に答申し、各地の地方審議会が引き上げ額を協議。１０月頃から順次改定される。