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「なぜ、梅干しなんですか?」 “ご飯のおかず”を議論した企業の業績が伸びたワケ

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「なぜ、梅干しなんですか?」 “ご飯のおかず”を議論した企業の業績が伸びたワケ

配信元:PRESIDENT Online 更新

 あなたの会社には「何を言ってもいい場」はあるだろうか。東京大学の梶谷真司教授はその方法のひとつとして「好きなご飯のおとも」での議論を提唱している。梶谷教授の専門は哲学。「ご飯のおとも」で自由に話すことは、哲学的な対話をうながし、職場の風通しをよくする効果もあるという。どういうことか。編集者・ライターの斎藤哲也氏が解説する-。

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 日本の「倫理」とフランスの「哲学」

 日本の中等教育では、哲学の存在感はきわめて薄い。高校生で哲学に接する機会は、選択科目の倫理ぐらいだが、倫理を入試科目として採用している大学は皆無に等しく、もっぱらセンター試験のために勉強する科目になってしまっているのが現状だ。

 しかも、高校倫理の範囲はやたらと広い。西洋史、中国思想、日本思想、宗教がぎゅっと詰まっている。これでは、どうしたって暗記科目になってしまうだろう。実際、予備校で倫理を教えている知人によれば、デカルトですら「デカルト=我思う、ゆえに我あり」と、1分ぐらいで通過してしまうそうだ。

 講師がじっくり説明したくても、「入試に必要ないことを教えるな」という圧力が以前に比べて強まっているため、雑談や脱線がしづらくなっているとのことだった。

 日本の教育現場での哲学の影の薄さに比して、よく引き合いに出されるのがフランスの哲学教育だ。

 <フランスの教育制度の特徴としてしばしば言及されるのが、リセ(高等学校)最終学年における哲学教育と、バカロレア(大学入学資格試験)における哲学試験である。文系、理系を問わず、すべての高校生が哲学を必修として学び、哲学試験はバカロレアの第一日目の最初の科目として実施される。この哲学の特権的な位置こそが、フランス人の思考力を鍛え、またフランスの哲学的伝統を守り育てていることは疑いない>(坂本尚志「バカロレア哲学試験は何を評価しているか?」)

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