【書評】『三浦義武 缶コーヒー誕生物語』神英雄・著
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戦前から戦後にかけてコーヒーを愛し、その探求に人生を捧げた「希代のコーヒーマニア」、三浦義武の評伝と資料集だ。
島根県井野村(現浜田市)出身で、上京後、コーヒーに魅了され、独自の抽出法による濃厚コーヒーを考案する。昭和40(1965)年には世界初とされる缶コーヒー「ミラ・コーヒー」開発、販売に成功。親交があった作家、司馬遼太郎は「彼を世界に誇っていい」と称えた。
三浦の精神と技術を継承している地元・浜田市、三浦の足跡を長年追った著者の熱意が伝わってくる一冊。
昭和11(1936)年のラジオ「趣味講座」放送原稿などの資料も興味深い。(1620円、松籟社)