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「マイパブリック」に包まれる安心感 グランドレベルで何気ないリアルな交流を

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「マイパブリック」に包まれる安心感 グランドレベルで何気ないリアルな交流を

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 人の何気ないリアルな交流は、ほぼ地上レベルでしか生まれない。

 ビルのエレベーターでいつも見かける人と一緒になり会話を交わし、屋上でぼんやりとしている時に何となく見知らぬ人と話す。こういうことがないわけではないが、ある空間にごく自然に人が集まり交流が生まれる、というのは屋外で発生する現象だろう。

 人が空を飛んでいるわけでもないので、当然、地上レベルである。それにも関わらず、人の交流を促進する気がないとしか思えない街並みがそこかしこにある。特に、東京の一部がそうだ、と大きな声で指摘し「なんとかしようよ」と自らの身体を動かしてしまうのが田中元子さんである。

 お酒を自分では飲めないのに「ちょっとウチの事務所のバーカウンターでおしゃべりしない?」と友人知人を誘いはじめ、それでは外に世界が開けきれていないと感じると、移動式の屋台をつくり街に出てコーヒーを振る舞う。

 それもこれも、自分なりの心地よい「パブリック」を作っていくためだ。彼女はそれをマイパブリックと呼ぶ。「街づくり」や「場づくり」という気の抜けた言葉から距離をもち、他人が「はて?」と一瞬思う言葉をひねり出す。

 いや、一瞬思うどころではない。かなり説明を聞かないと分からない言葉であるが、それでも、「こう表現したい!」という気持ちはスッと伝わる(のではないか、と思わされるものがある)。

 晶文社の編集者と大いに口論して、田中さん発案のこのタイトルがやっと受け入られたに違いない『マイパブリックとグランドレベル』という本は、こうして生まれた。

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