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【Luxeな日本~地元発】復刻! 南蛮文化の香り漂うスイーツ 中村直美

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【Luxeな日本~地元発】復刻! 南蛮文化の香り漂うスイーツ 中村直美

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 長崎県平戸市。かつて西洋貿易の拠点だったこの港町では、19世紀半ばのレシピ「百菓之図」に基づいた南蛮文化の香り豊かなスイーツが味わえる。

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 百菓之図は、領主の松浦家35代藩主煕の命で、数年かけて地元の御用菓子店が100種類の菓子作りに取り組み、菓子名と製法を記した書物だ。そして、41代当主松浦章氏監修のもと、当時菓子司だった平戸蔦屋が百菓之図の菓子を再現、4年前から松浦史料博物館内の茶室・閑雲亭で12種類を月替わりで茶と一緒に提供している。

 月替わり菓子は要予約だが、百菓之図に基づく「烏羽玉(うばたま)」はいつでも食べられる。黒ごまを練り込んだこしあんをもちもちした求肥(ぎゅうひ)で包んだ逸品だ。復刻物ではないが、卵黄につけたカステラに砂糖をまぶしたカスドースも常時楽しめる。

 平戸港へのポルトガル船来航は1550年で、長崎港より20年早い。貿易が盛んになり、南蛮菓子も伝わった。やがてオランダ船が船を安定させる重り代わりに積み込んでいた砂糖が大量に輸入されるようになる。29代鎮信が武家茶道「鎮信流」を創始したこともあって独自の砂糖菓子文化が育まれた。

 南蛮文化と歴史の結晶、平戸のスイーツをご賞味あれ。(おわり)

 【luxe(リュクス)】 フランス語で元の意味は「贅沢」。最近は優雅で上品でありながら、洗練された贅沢なもの・ことなどの意味で使われる。

<プロフィル>

 なかむら・なおみ 長崎文化放送、NHK長崎を経て、現在、FM NACK5でニュースアナウンサー、各種司会として活動中。

 局アナnetは日本最大級の局アナ経験者ネットワーク。運営するLocal Topics Japan(http://lt-j.com/)では全国の地方の観光情報を日本語、英語と動画で紹介しています。コラム関連動画もごらんになれます。

このニュースのフォト

  • 「百菓之図」に基づいて再現された烏羽玉
  • 卵黄につけたカステラに砂糖をまぶしたカスドース。お茶と一緒に。
  • 「百菓之図」の復刻菓子が食べられる松浦史料博物館内の茶室、閑雲亭

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