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「直感で資産運用」が成功しないのは脳にあった!

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「直感で資産運用」が成功しないのは脳にあった!

配信元:PRESIDENT Online 更新

 一喜一憂することに疲れた頃、リターンがプラスになると、利益を確定(利確)させようという人が出てきます。「もうこれ以上マイナスになるのを見たくない。利確してしまおう」と資産運用をやめてしまうのです。最初の苦しい時期を乗り越えられなかったがために、将来の大きなリターンを失うことになります。

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 気を取り直して資産運用を再開しても、振り出しに逆戻りです。資産運用を始めたばかりだと、リターンはプラスとマイナスを行き来しやすく、また一喜一憂することになります。

 25年間のシミュレーションでは、最初の苦しい時期を乗り越えて資産運用を続けると、プラスのリターンが大きくなっていきました。こうなると、資産が1%増えたり減ったりしても、心の揺れは小さくなるでしょう。残高を確認する頻度も減り、短期的な資産の増減はあまり気にならなくなるはずです。

 資産運用を始めたばかりの苦しい時期を乗り越えることが、「長期・積立・分散」の資産運用を成功へ導きます。長い目で資産を見守りましょう。

 リーマン・ショックは「何もしない」が正解だった

 前項で述べた通り、「長期・積立・分散」の資産運用は、スタートして早々に、苦しい時期にぶつかります。それを乗り越えると、リターンが安定し、落ち着いて資産運用をすることができるようになります。

柴山和久『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いたこれからの投資の思考法』(ダイヤモンド社)

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 しかし金融危機が発生すれば、リターンが大きく失われ、普段は冷静な投資家もパニックになります。近年のもっとも極端な事例が、リーマン・ショックでした。

 多くの投資家がパニックに陥り、リーマン・ショック後に株を売って、株よりもリスクの低い債券や金、現金などに移したことがわかっています。

 前述の通り、アメリカ人である私の妻の両親も、パニックに陥りました。妻の両親は1990年代からプライベート・バンクで「長期・積立・分散」の資産運用を続けており、幾度かの金融危機を乗り越えてきました。しかし、さすがに株価が3割も下落し、悲観論に満ちたメディアに日々接していると、資産運用をやめたほうがいいのではと思うようになりました。

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  • ※写真はイメージです(写真=iStock.com/phototechno)
  • 柴山和久『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いたこれからの投資の思考法』(ダイヤモンド社)

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