そこで、今の時代の新しい働き方について提案させてください。それは会社にいながらスタートアップと仕事をする形です。
私の経験ですが、大企業の名刺はすごく役立ちます。大勢の人が社名を知っているので、アポイントで断られることはほぼ無いですし、耳を傾けてもらいやすい。しかし、大企業に勤めている人は社内に意識が向いている割合が大きいのか、意外にこのメリットに鈍感でした。
大企業の、たとえば新規事業担当になったら、自社のブランドを活用して積極的にスタートアップから情報収集し、スタートアップと協業してみましょう。性質的に市場に敏感なスタートアップと仕事をすれば、社内では手に入らない情報が効率的に入手でき、新規事業などビジネス企画の検討に生かせるでしょう。
また、退職したあとにいろいろなスタートアップの支援、顧問や社外取締役ができるような人脈の形成も出来ると思います。
大企業にいようとスタートアップだろうと、変化の速い環境で生きていくことに変わりはありません。会社に勤務しているとしても、変化する前提で社外の人たちに積極的に会い、事業をつくっていく姿勢があれば、大航海時代は楽しいものになるはずです。
大企業でも副業が認められ始めているのが現代です。仕事の時間外に自分が磨きたい、あるいは得意な領域へのチャレンジがしやすくなっているということです。例えば、会社員の身分は保ちながら、スタートアップへも参加してみたい、という目的での副業も可能でしょう。
これからの大航海時代は、会社の社員でいながらスタートアップの手伝いもできるという、“いいとこ取り”ができる時代といえるでしょう。
【ビジネスパーソン大航海時代】は小原聖誉さんが多様な働き方が選択できる「大航海時代」に生きるビジネスパーソンを応援する連載コラムです。次回更新は2月6日の予定。
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