パパ編集部員の育休エブリデイ

(6完)今しか経験できない刹那な時間 何ものにも代えがたい育休生活

SankeiBiz編集部

 次に、家族の絆が強くなった事も大きなメリットだった。第1子誕生からずっと子育てに専念している妻からは「育児に対する姿勢が日に日に良い方へ向かったし、小さなことで文句も言わなくなったよね」などと嬉しい言葉をもらえた。娘とも強い信頼関係を築くことができた。今でも「パパがいれば大丈夫」と二人だけでお出掛けするときも多いし、妻と私が別行動をとるケースでも、娘は私と一緒にいることを選んで甘えることもよくあるほどだ。

 そして私自身も成長した。育児のスキルもそれなりに向上したし、何よりも自信がついた。オムツ替えや子供をお風呂にいれる事はお手の物だし、トラブルへの対応に落ち着きがあるからか、「お父さんなのに慣れていますね~」と驚かれることが割とよくあった。子供の行動パターンをつかんで先が読めるようになり、効率よく動けるようになると、相対して妻や子供の負担も軽減されるという効果がある。

 多忙な毎日を過ごす中で「上手に手を抜く」ことも身につけた。例えばシワがあっても気にならないインナー類はたたまない(=時短)などだ。育休に入った当初は「頑張るんだ」と意気込み過ぎて空回りすることが多かったし、必要以上にタスクを抱え込んで限界値を超えてしまい、一人で機嫌が悪くなることも多かった。育児は毎日のように精力的な働きが求められるが、やる事すべてを完ぺきにこなそうとすると、やがてどこかで行き詰まってしまう。頑張りすぎてパンクしないよう、ときにはガス抜きも大事なのだ。そういえば、会社でうまく仕事をこなす人はいい意味で要領がよかったりするものだ。

 コミュニケーションを大切に

 もちろんすべてが順風満帆だったわけではない。私の至らない部分もあって妻が望むようなサポートができず、口論に発展することも多々あった。私は気の利かないタイプで、相手の気持ちを汲むことが苦手でもあるため、妻がしてほしいことに気がつかないことが何度もあったのだ。私も自身の欠点は自覚しているため、妻には何度も「何かあったら言葉ではっきりと言ってほしい」とお願いした。

 育児は基本的に夫婦二人でやるものだからこそ、思っている事やパートナーにしてほしいことは遠慮せず言葉にすることが大事だと感じた。つまり、「コミュニケーション」だ。悩みや愚痴を聞いてあげればストレスの軽減にもつながる。よく考えれば至極当然のことではあるのだが、育休を取得した当初は不慣れな環境に切羽詰まっていたようで、会話不足によるケンカが絶えなかった。そのたびに、心の中で「こっちは育休を取ってあげたんだからもう少し感謝してくれよ」なんて不満が募ることもあった。どうせまた口論になるから妻と話したくないと、あえて口を閉ざす日もあった。しかし、コミュニケーションを積極的に取ることでこのような不毛な言い争いを回避したり、トラブルを迅速かつ容易に解決できるのだ。もっといえば、焦っているときや機嫌が悪い時こそ、言葉遣いに気を付けたり丁寧に接する気持ちが大事だと実感した。とはいえ、妻としては「言いづらい」「お願いしづらい」こともあるようで、ときにコミュニケーションを取ること自体の難しさも痛感した。

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