AYA世代の日々 がんとともに生きる

(4)妊娠する力を残すか がん治療後の人生を考える 

 ピンクリング代表・御舩美絵さん

仲間と「思い」共有の機会を

 若年性乳がんの患者支援団体「ピンクリング」代表の御舩(みふね)美絵さん(40)は、平成22年、結婚直前の31歳のときに乳がんを告知された。AYA世代(思春期・若年成人)のがん患者は、闘病と結婚や出産などのライフイベントが重なってしまう。御舩さんは、将来子供を持つ可能性を残すためにはどんな治療を選ぶか、情報や時間が不足するなかで決断を迫られたという。(油原聡子)

決断まで1カ月

 左乳房の全摘手術後に改めて意識したのが、「妊孕(にんよう)性」(妊娠する力)を残す治療をするかどうか、ということでした。

 〈がん治療のための化学療法や放射線療法では、生殖機能が損なわれることがある〉

 治療の選択肢だった抗がん剤には閉経のリスクがありました。自費診療の遺伝子検査を47万円かけて受けた結果、私のがんには抗がん剤は大きな効果がないと分かり、ホルモン治療を行うことに決めました。

 ただ、5年の治療期間を終えると37歳。加齢とともに妊娠の可能性が低くなることは知っていたし、ホルモン治療による卵巣機能の低下もゼロではないと説明を受け心配でした。そこで主治医に提案されたのが、妊孕性温存です。

 〈妊孕性温存は、がん治療開始前に行われ、その方法には卵子や精子、受精卵の凍結などがある〉

 治療を遅らせるわけにはいかず、決断までの猶予期間は1カ月。将来、子供はほしい。しかし、卵子を育てる薬が、私のがんに悪い影響を与える可能性がありました。命と子供をてんびんにかけられているようで、なかなか答えを出すことができませんでした。

 それでも、主治医の「がんになった後の人生を考えて」という言葉に、自分が目の前のがんだけを見ていたことに気づきました。

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