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エボラ病原体の輸入方針を正式表明 厚労省、今夏にも

 厚生労働省と国立感染症研究所(感染研)は30日、エボラ出血熱など致死率の高い1類感染症の病原体の輸入方針について、保管先となる感染研村山庁舎(東京都武蔵村山市)で開かれた関係者会議で正式に表明した。早ければ今夏にも国内に持ち込まれる見込みだが、輸入経路や日時は事前に公表しない。

 輸入対象となっているのは、国外で感染例があるエボラ出血熱、南米出血熱、ラッサ熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病の5種類の感染症の病原体。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、国内で発生した場合の検査体制の強化を図る。

 日本ではこれまで人工的に合成した病原体の一部を使ってきたが、実際の病原体を使うことで、回復具合を判断する検査法の確立が可能となる。

 保管場所となる感染研村山庁舎のBSL-4施設は、高性能フィルターを備えるなど高度な安全性が確保されている。厚労省と感染研は昨年11月、武蔵村山市側に輸入に向けた考えを提示。これまで住民向けの説明会や見学会などを実施しており、一定の理解を得られたとみている。

 関係者会議には、厚労省、感染研のほか、地元住民の代表らが参加。地元側から「引き続き透明性を高めてほしい」などの要望が出たという。厚労省は今後、実際の輸入に向けた対応に入る意向だが、「要望があれば、今後も説明会などを実施していきたい」としている。

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