がん電話相談から

胃がん手術後の治療が合わない

 Q 63歳男性です。胃がんと診断されて今年2月に胃の全摘手術を受け、腹膜播種(はしゅ)(腹膜に腫瘍が種をまくように散らばった状態)となりました。4月からは抗がん剤治療が始まり、TS-1、ハーセプチン、ドセタキセルを使用するようになりましたが、体のしびれやこわばり、脱毛などの副作用が現れました。治療が合っていないのだろうかと不安に感じています。

 A 通常、1次治療ではTS-1、ハーセプチンのほか、シスプラチンやオキサリプラチンなどのプラチナ系製剤を併用することが多い。ドセタキセルは2次治療に使われることが多い薬剤です。

 なぜ、1次治療の段階でドセタキセルが出されているのか詳しい理由は分かりません。一度、主治医に尋ねてみるのがよいかと思います。説明に納得がいかなければ、セカンドオピニオン(違う医療機関の医師から、意見を聞くこと)を受診されるのもいいかもしれません。その上でなお、不安を感じるようであれば、治療先を変える選択肢もありえるかもしれません。

 抗がん剤の副作用も強く出ているようですが、使用量を減らすことなく治療が継続されているとのことで、疑問を感じます。こうした場合、まずは使用量を減らすことが一般的だとお知らせしておきます。

 Q 免疫治療への変更も考えています。

 A がんの免疫治療薬である「オプジーボ」は、胃がん患者にも標準治療として使用は可能ですが、基本的には3次治療以降に用いられるものといえます。また、すべてのがん患者に効くというわけではないということにも留意が必要です。

 今は治療がうまく軌道に乗れていない印象を受けますが、まずは、1次治療、2次治療をしっかりと受けてもらうことが大事だと考えます。

 回答には、がん研有明病院の若槻尊消化器化学療法科医長が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。

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