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酪酸菌(2)腸を整え、強く

 腸内フローラの状態はその人の摂取する食事や体調に関係する。そのためバランスの悪い食事や過度のストレス、抗生物質の過剰な摂取などの要因で腸内フローラが乱れるとされる。

 腸内細菌の酪酸菌から作り出される酪酸には、腸内環境を整え健康な腸内フローラを保つ働きがある。それは腸内を「弱酸性」にすることと「酸素のより少ない環境」にすること。酪酸菌やビフィズス菌など、人にとって有用な菌は低酸素状態を好み、ブドウ球菌など有害な菌は酸素のある環境を好む傾向がある。

 酪酸菌が増殖し酪酸を作り出すと大腸の上皮細胞が酪酸と酸素を使ってエネルギーを作り出す。これにより大腸がより酸素の少ない状態になり有用な菌が住みやすい環境に変化する。酪酸菌と上皮細胞が良好な関係を保つことで健康な腸を維持することができる。

 また酪酸には腸を強くする働きもある。酪酸は粘液の分泌を促し、粘液は腸管上皮を覆い粘膜バリアとして病原菌の侵入を防ぎ大腸組織を保護する役割を持つ。このバリア機能が低下すると炎症などの疾患を引き起こすことが報告されている。(取材協力 武田コンシューマーヘルスケア)

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