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カルピスの香り広がるミュージアム 味の鍵は100年間継ぎ足しの菌

 大人の遠足 「カルピス」みらいのミュージアム

 甘酸っぱく爽やかな飲み心地から「初恋の味」として知られるアサヒ飲料の乳酸菌飲料「カルピス」。だれもが知る国民的飲料が今年、発売から100年を迎えたのを機に、より深く知ってもらおうと、群馬工場(群馬県館林市)内に10月1日、見学施設「『カルピス』みらいのミュージアム」が開館した。開館前、一足早く施設を訪ねた。

 アニメで歴史知る

 群馬県館林市。巨大な工場群が立ち並ぶ中に群馬工場はそびえ立つ。見学は2部構成で、1部で工場の一角に建つミュージアム、2部で工場内部を見る。早速、ミュージアムに入ると、カルピスのボトルを模した高さ4メートルのオブジェとともにガイドの女性が出迎えてくれた。

 最初に案内されたシアターでは、アニメーターの小田部羊一さんが原案を手掛けたアニメ映画を上映。カルピスの歴史などについて解説され、子連れのファミリーらに喜ばれそうだ。

 カルピスの生みの親は大阪府出身の実業家、三島海雲(かいうん=1878~1974年)。三島が中国・内モンゴルの遊牧民の飲み物をヒントに乳酸菌を用いたカルピスを考案し、大正8(1919)年に発売した。

 歴代ポスター展示

 ミュージアムでは、発売当初から令和までの広告ポスター、水玉模様のパッケージを展示。レトロなデザインに「初恋の味」「滋強飲料」などの文字が躍り、なんともノスタルジックだ。「昭和時代では長嶋茂雄さんがカルピスを手にしたポスターもあり、ここで飾られています」(ガイド)

 続いて味の秘密に迫る製造工程も解説。生乳にカルピス菌を加えて1次発酵させ、その後、砂糖を加え2次発酵を行い酸味と豊かな香りを引き出す。味の鍵となるのは「100年間継ぎ足しながら使用してきたカルピス菌」(広報)だという。

 圧巻は、14台のプロジェクターを使って発酵の仕組みを視覚的に説明するシアター。まるで貯蔵タンクの中に入り込んだような感覚が味わえ、カルピスの香りが部屋いっぱいに広がる仕掛けも楽しめる。

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