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(164)歩数計 何のために運動するか

 前回の東京オリンピックをきっかけに運動を始める人が多かったと言われています。その翌年に歩数計が発売され、広く使われるようになりました。歩数計を装着して、1日1万歩を目標に歩いたことがある人も多いのではないでしょうか。近年では歩数計が携帯電話に内蔵されることも多い上、活動量計やスマートウオッチなどでは消費エネルギーや体をどのように使っているかまでわかり、健康管理に使う人が増えています。

 私のクリニックに糖尿病で通院している70代前半の男性患者さんは、診察室でいつもスマートフォンを片手に近況を報告してくれます。

 今年10月に、歩数計や加速度計(活動量計)の使用が身体活動や心血管代謝的な要素に与える影響について、今までの研究をまとめて評価したものが、米国の医学雑誌に発表されました。解析した研究は全部で36あり、総勢5200人の成人です。結果は、歩数計は平均約4カ月の使用で1日1700歩ほど歩数を伸ばしていました。特に医療者と定期的な面談がある人は、ない人に比べより効果的でした。また血圧や体重には影響しないものの、血糖値を下げる効果は見られました。

 何かを続けるには、それに対する評価や見合った報酬というものが大きな動機になりますが、運動も例外ではありません。健康のために運動するということなら、目標歩数に達したときの達成感や血糖値が改善したときの満足感があります。また他人が管理してくれたり評価してくれたりすることも、続けようという気持ちにつながるものなのでしょう。

 ただウオーキングについて言えば、テニスなどのスポーツのように、他人と競って勝つということがありません。これは一人で続ける難しさの大きな要因です。運動は体だけでなく、脳も満足させるものでなくてはならないのです。その男性患者さんには、ウオーキングに限らず楽しいと思えることを続けるようにお話ししました。もともと写真撮影が好きで、最近ではカメラを持っていろいろな場所に歩きに行っているそうです。(しもじま内科クリニック院長・下島和弥)

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