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服は「捨てない」「減らす」 大量消費・廃棄から脱却の時代へ

 【持たない幸福 レス時代の暮らし】(下)

 流行に合わせ毎シーズン大量の衣料品を供給するアパレル業界で、廃棄削減への取り組みが広がっている。日本だけでも年間推計100万トン近くあるといわれる廃棄衣料品は、さまざまな方法を取りながら新たな衣料となって売られる。見た目には普通の服と変わらない形で、生活に浸透していく。

 タグを替え、再販

 名古屋市内で昨年11月下旬、「Rename(リネーム)」のタグをつけた服の期間限定店が展開されていた。店頭に並んだニットやスカート、ワンピース…。実はこれらはもとは違うブランドの服だった。

 服の買い取りを行う「FINE(ファイン)」(名古屋市)は、平成28年から、アパレル企業から在庫品を買い取り、ブランド名の入ったタグと洗濯表示をつけ替えて再販する仕組み「リネーム」に取り組んでいる。

 津田一志COO(最高執行責任者)は「アパレル業界はシーズンごとに商品が変わり、在庫が残りやすい。しかしブランドイメージ維持のため、安価での販売は敬遠されていた」と説明する。結果、着られることなく廃棄されてしまう衣料品が大量にあるとみられているのだ。

 リネームでは、これらの商品をもとの価格の3~8割引で販売。新品が安価で買えるため消費者にも好評で、累計販売数は30万枚に上るという。「タグをつけ替えることで、消費者に服そのものの価値を判断してもらえる。ブランドイメージにとらわれずに売ることで、新しいお客さまにも届けられる」と津田さん。

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