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大阪・四天王寺の「どやどや」 高校生が未来へつなぐ

 若者たちがふんどし姿で札(ふだ)を奪い合う四天王寺(大阪市天王寺区)の奇祭「どやどや」が14日、同寺境内で行われる。五穀豊穣(ほうじょう)を祈って毎年行われる恒例行事に50年前から参加しているのは地元の高校生。今年も、江戸時代から続く伝統行事を若者らが未来へとつなぐ。

 凍てつく寒さの中、紅白のふんどし姿の高校生たちが体をぶつけあい、湯気が立ち込める。元旦から始まる四天王寺の法要「修正会(しゅしょうえ)」の締めくくりとして、毎年1月14日に開催されてきた。地元の農民らが東西に分かれて札を奪い合ったのが始まりで、参加者が「どうや、どうや」と近況を尋ねあったことから「どやどや」と呼ばれるようになった。

 300年以上続いてきた伝統行事に毎年参加しているのが、私立清風高(大阪市天王寺区)の生徒や教職員だ。札の奪い合いの激しさからけんかが絶えなかった祭りを安全な形で後世に残そうと四天王寺が参加を依頼し、昭和46年から地元住民に代わってこの行事を担うようになった。

 札の奪い合いも安全に配慮したスタイルに変え、50年を迎える今回も1、2年生を中心に約500人が参加する。留学生が加わった年もあった。

 今後も参加を継続していく方針で、同高を運営する清風学園の平岡英信理事長は「伝統文化は誰かが守らないと消えてしまう。残していくことに意義があるし、青春のいい思い出にもなる」と話している。(鈴木俊輔)

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