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レスリング 強豪の中国、北朝鮮が不参加 新型肺炎拡大で

 【ニューデリー=岡野祐己】新型コロナウイルスの感染拡大の影響が広がる中、18日からニューデリーで行われているレスリングのアジア選手権には強豪の中国と北朝鮮が不参加となった。日本は東京五輪を前にアジアのライバルとの力関係を測る機会と位置づけていたが、肩すかしを受けた格好だ。身体接触が避けられない競技だけに影響は今後も続くとみられ、五輪の代表争いにも影を落としている。

 日本レスリング協会によると、中国はインド政府がビザの発給を行わなかったため参加が不可能となった。代表チームは全選手・役員が陰性であることを示して発給を求めたが、認められなかったという。北朝鮮はビザの発給は受けたものの、インドへの唯一の経由地が北京であることから自ら参加を見送った。

 これに対し日本は五輪本番を見据え、すでに代表入りを決めている6選手全員を大会に送り込んだ。中国、北朝鮮には有力選手が多く、昨年の大会では男子グレコローマンスタイル60キロ級代表の文田健一郎(24)=ミキハウス=が2回戦で北朝鮮選手に敗北。女子57キロ級代表の川井梨紗子(25)=ジャパンビバレッジ=の最大のライバルと目されるのは中国選手だ。五輪の金メダル候補とされる2人をはじめ、両国のライバルとの対戦を望んでいた選手は多く、文田は「残念」と言葉少なだった。

 レスリングでは五輪アジア予選が3月27~29日に中国・西安で開催される予定だったが、会場変更は不可避の情勢だ。新型コロナを含めた感染症について、世界レスリング連合(UWW)は医師ら約15人からなるワーキンググループで対策を議論。発熱が認められた選手を出場させないことや、観客を含めたマスク着用の義務づけなどが新たな規定として検討されているという。

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