がん電話相談から

前立腺がん 術後の5年生存率は?

 Q 70代男性です。定期検診でPSA(前立腺特異抗原)測定を毎年受け、前立腺がんには注意してきました。令和元年6月、PSA値は4・1で、頻尿の症状もあったことからクリニックを受診。今年1月、大学病院を紹介され、生検(組織の一部を針で採取する検査)を受け、12本中2本にがんが検出され、前立腺がんと診断されました。CT(コンピューター断層撮影)や骨シンチグラフィー検査を受けましたが、遠隔転移、骨転移は確認されませんでした。6月、手術支援ロボット・ダビンチによる前立腺がんの摘出手術を受けました。大腸と癒着(ゆちゃく)があり、手術時間は8時間を要しました。7月、病理検査の結果、がんは2つあり、グリーソンスコア(悪性度の分類)はそれぞれ4+5=9、3+4=7でした。主治医からは「勃起神経に浸潤するように、がんがあったので大きめに切除した」との説明があり、5年生存率は50%と言われました。せっかく手術を受けたのに生存率はこれほど低いものなのでしょうか。

 A 生存率と再発率を聞き間違えたのだと思います。グリーソンスコアが9のがんがあれば、早期がんでも再発のリスクは高くなり、50%くらいは再発する可能性はあります。しかし、再発しても追加治療を受けることで5年生存率は100%近く見込めます。

 Q 術前に10年生存する見込みのある人が手術を受けると説明されました。術後の生存期間が10年ということでしょうか。

 A 前立腺がんは手術以外にも放射線やホルモン治療がよく効くので、手術を受けなくても多くの場合、10年間がんをコントロールできます。この観点から、重い持病がある、高齢であるなどの理由で10年間の生存が見込めない人には手術をお勧めしません。つまり、あなたは前立腺がんがなければ、10年以上生きられるという判断のもとに手術を勧められたのだと思います。

 Q 手術で切除した断端(だんたん)部が陰性と言われました。

 A 摘出した前立腺や周囲の組織の外にがんが出ていなかった、きれいに取れたということです。それでも悪性度の高いがんの場合は、微小ながんが体内に潜んでいる場合があるので経過観察は必要です。

 Q 私には腰痛があるのですが、どうしたらいいでしょうか。

 A 画像診断で転移がないのですから、少なくとも腰痛の原因になるような大きさの骨転移はないと考えられます。整形外科などで腰痛の治療を受けられるのがいいと思います。

 Q 術後、体調が回復していないのですが、どうしたらいいでしょうか。

 A 大腸への癒着があるなどして手術は長時間かかったことから、回復が遅れている可能性があります。そもそも、回復には個人差があります。主治医に相談しながら食事や運動を徐々に元に戻していくのがいいでしょう。(構成 大家俊夫)

 回答はがん研有明病院の米瀬淳二・泌尿器科部長が担当しました。

 「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は毎週月曜日から木曜日(祝日除く)午前11時~午後3時に受け付けます。電話は03・5531・0110、無料。相談は在宅勤務でカウンセラーが受け付けます。寄せられた相談内容を医師が検討し、産経紙面やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。個人情報は厳守します。

 全摘出後にPSA再発の可能性も

 前立腺がんの全摘出後にいったんゼロ近くまで下がったPSAが再上昇して0・2を超えた場合PSA再発と診断される。米瀬医師によると、術前のPSA高値、局所進行がん、グリーソンスコア高値のケースは一般的にPSA再発のリスクが上がるという。

 米瀬医師は「PSA再発と診断されたら、もともとの病状やPSA値の推移をみて、さらに様子をみるのか放射線やホルモンによる治療を開始するのか検討します」と解説する。

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