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新型コロナ変異種感染で静岡県も会見、冷静対応求める

 海外渡航歴がない静岡県在住の3人に新型コロナウイルスの変異種感染が判明したとの国の発表を受け、静岡県の担当者も18日夜、緊急記者会見を実施して説明に追われた。県疾病対策課の後藤幹生課長は、変異種でも基本的な感染防止対策は変わらないことから「ただちに特別な行動制限や幅広い検査を行う必要はないと考えている」と冷静な対応を求めつつも、感染力が強いとされる変異種の流入で、現状でも厳しい医療提供体制がさらに逼迫(ひっぱく)することを懸念。「これまでと同じ対策では感染者や重症者が増える心配がある。全県でしっかりと入院病床を確保していく」と対策強化を進める考えを強調した。

 県によると、16日に厚生労働省のクラスター対策班が来県しており、感染経路を調査中。今後の県の対応は、国と協議のうえで一両日中に発表するという。ただ、変異種でも感染防止対策は従来と同様だとして、後藤課長は県民には3密回避、マスク着用、手洗い、換気など「今と同じ対策のさらなる徹底をお願いしたい」と改めて求めた。

 県によると、3人は20代女性とその濃厚接触者の40代女性のほか、別の60代男性。厚生労働省の要請で国立感染症研究所に検体を送付し、英国由来の変異種と確認された。

 まず女性2人の感染が判明。60代男性は、状況調査のために女性2人と同じ保健所管内の約10人に行われた検査のなかで、感染が確認された。全員が1月上旬に発症し、軽症だった。女性2人はすでに症状がなくなっており、60代男性は自宅療養中という。

 今のところ女性2人と60代男性との間に接触は確認されていない。ただ、県外の人との接触はあるという。県は、別の感染者らが媒介する形で感染が広がったのではないかとみている。

 県は、60代男性の濃厚接触者1人のほか同一保健所管内の陽性者約30人の検体を感染研に送付。同県内での変異種感染はさらに広がる懸念もある。

 静岡県内のコロナ対応病床は18日正午現在、389床確保されている。これに対し入院者は180人(うち重症者5人)で、使用率は46・3%(重症者用では18・5%)。地域別では県東部で67・4%、中部39・3%、西部39・6%となっている。

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