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子宮頸がんワクチン接種、積極的勧奨再開へ 厚労省部会が容認

 国が積極的な接種呼びかけを中止している子宮頸(けい)がんワクチンについて、副反応を議論する厚生労働省の専門部会は1日、積極的勧奨の再開を認める方向で合意した。今後、再開時の具体策を協議して最終決定する。部会は厚労省に対し、接種者の増加を見据えて接種後の症状を診療する協力医療機関への支援強化を検討するよう求めた。

 この日の部会では、海外の大規模調査で近年、子宮頸がんの予防効果が示されたことが報告された。ワクチンと接種後に生じる症状の関連性について、国内外の調査で科学的根拠が認められていないとした。一方で、症状に苦しむ人への相談窓口が設置され、医療的な支援や救済が行われているとした。

 ワクチンは子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ。国は平成25年4月に小学6年から高校1年の女子を対象に計3回の定期接種とした。ただ、接種後に体の痛みやしびれなどの症状を訴える人が相次ぎ、2カ月後に個別の案内を送る積極的な勧奨を中止した。

 積極的勧奨の中止後は接種数が低迷していたが、実施主体の市町村がリーフレットなどを個別送付して情報提供を推進。接種は増加傾向にあるという。

 これに対し、HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団は1日、東京都内で会見し、原告の20代女性がオンラインで「接種から9年経つが、治療法もない。新たな被害者が出てしまう」と訴えた。

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